お着物をお誂えするときに気をつけるといいこと
昨日、お着物のお誂えの体験を書きましたが、お誂えは誰にとってもハードルが高いもの。お安い買い物ではありませんので気軽にできるものではない分、素敵な買い物をしたいですよね。今日はお誂えをする際に気をつけるといいことを書いていきます。
着物を誂えるときに気をつけること
私はこの一揃えを11月末に注文し、年明けに受け取りましたが、年が明けてからすでに9回ほど着用しています。カジュアルな目的の時は帯を変えたりしていますが、お着物は何度も着ています。
やはり自分用に誂えて長襦袢もそのときにサイズのものを誂えてもらっているので来たときに袖の部分が長襦袢と着物がぴったり合いますし、身幅もきちんと脇縫いが脇に着て背縫いも背中心にくるので着姿が綺麗です。おはしょりも人差し指の長さと理想的な分が出るし、おくみ線がきちんとおはしょりと上前のところで繋がります。
なので、私はお着物を誂えて良かったと思っていますが、やはりお安い買い物ではないですので、お誂えは慎重に行った方がいいと思います。
そこで以下ではお着物を誂えるときに考えた方がいいことを書いていきたいと思います。
その着物、誂えてオッケー?チェック項目
①着る機会があること
着物は本当に美しいですよね。販売会に行くときれいな反物や金糸銀糸を使い豪華絢な刺繍や織が施された帯は溜息が出るほど美しいです。
それに訪問着は完全にオーダーメイドで仮の状態で試着しても、まるで姫にでもなったかのようにテンションが上がります。まさに夢心地。
でも考えてみてください。あなたのライフスタイルで、そのお着物を着る機会はちゃんとありますか?
訪問着は華やかで美しいですが、フォーマルでしか着ることができないお着物ですので、ショッピングに行ったり、コンサートを聴きに行くとか美術館に行くなどのお出かけには着ていくことはできません。
自分が普段出かけていく場所に着て行っても馴染むものなのか、フォーマルがどうしても必要ででもカジュアルにも着たいとかなら、上品な小紋や御召、色無地あたりにするなどにした方が着物を着る機会が増えます。
②コーディネートを何通りも考えられる色柄か
着物は帯や帯締、帯揚との組み合わせが大切。大人しめな着物でも柄の多い帯を合わせたり、鮮やかな帯締帯揚を合わせることで一気に雰囲気が変わります。
お手持ちのアイテムに組み合わせて使える、何個もコーディネートが思い浮かぶといったお着物や帯であればおうちに迎え入れてもいいと思いますが、他のアイテムも一緒に買わないとコーディネートがまとまらないというようなお品であれば、少し検討する必要がありますね。
お着物や帯をあまり持っていない場合は、購入の際にお店の方とこういう帯でもかわいい、違う帯でも似合うというように購入しないアイテムも積極的に合わせてみて、いろんなバリエーションのイメージが浮かぶものを選ぶようにするのがおすすめです。
③着られる期間が長いこと
まだ手持ちがない時は、季節限定物は避けた方が無難です。ここで書いている期間限定とは、袷、単衣、夏物それぞれの期間ずっと着られるものという意味です。
例えば、紫陽花が描かれている帯は梅雨時期付近にしか切ることができません。たくさんすでに手持ちがあり、季節限定のお品が欲しいなと思う方はいいですが、初心者の方は避けた方が無難。
ハロウィン、クリスマス、お正月などの行事限定の帯などはとっても可愛いし遊び心があってお着物好きな方はよくその時期に合わせていらっしゃいます。初心者でも挑戦したいときは、半衿や帯留から取り入れてみるといいでしょう。
初心者の方におすすめな色柄は、色は普段着ている洋服のお色に近いもの、鏡で当ててみて顔映りがよいもの、柄は縞や水玉、幾何学模様といった季節に関係ないものがおすすめです。雪輪や葡萄など一部の柄は季節関係なく使えますので、好きな柄があればそれらを選ぶのもいいでしょう。
④着た姿を見て好きになれたこと
反物の状態、ショーケースに飾られていた時点ではなく、お店の方に身体に合わせてもらった姿を見てときめくかどうかです。
こんまりさんみたいなことを言いますが、最終的な判断はお着物を着ている自分に恋をできるか、ときめくことができるか、で決めていただきたいのです。
身も蓋もないことをいうと、このご時世、お着物は着なくても生きていけますし、必要ないものです。
どうしてもお稽古で着る必要があるという方は別ですが、茶道のお稽古だって着物がなければ洋服で行けばいいですし、茶会でも洋服のフォーマルを着てもいいものもあるし、どうしても必要ならレンタルだってあります。
そのときに必要だから、という理由だけで買った場合、そのイベントのときには来たとしても次に着る機会はないか、ずっとずっと先になってしまうかもしれません。
ぜひ、もうお着物、これだけあればいいって思うくらい好きになれるものを焦らずに探してもらいたいと思います。
以上、お着物を誂えるときに気をつけるといいことを書いてみました。他にも金銭的に無理はないか、買ったときに収納する場所はあるかといった面も考慮して、是非後悔のないように、お誂えを楽しんでください。素晴らしいお着物との出会いがありますように。